遺産相続,遺言書,遺言状,分割協議書の作成,大阪,岸和田市,中里行政書士事務所

遺産分割の実施,遺産分割協議書,相続登記,単独申請,原本の還付請求,相続証明書,固定資産の評価証明書

遺産分割の実施

被相続人の遺産は分割されて初めて、その財産が相続人のものとなり、自由に処分できるようになります。分割するには、登記などのような法律行為が必要なものと保管・引渡しだけで終了するものがあります。

相続の債務について

相続財産の債務のように、遺産の性質から分割の対象にならないものもあります。これは相続開始と同時に当然に分割されて、法定相続分により各相続人が負担すべきものです。

遺言執行者がある場合には、相続人の代理人として執行に関して一切の権限をもちます。

動産が対象の場合には執行が必要で、その手続きは財産の種類によって異なります。

不動産の登記(相続登記)について

不動産の場合の相続登記の手続きはその相続人が単独で申請できます。相続開始と同時に相続人に権利が移転するからです。したがって、その不動産が被相続人名義の状態にある限り、遺言執行者は登記手続きをすべき義務も権利もないとされます。

遺言の内容に反する他の相続人の登記行為があれば、遺言執行者はその所有権移転登記の抹消登記か真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記を求めることができます。相続人の所有権移転登記の取得は遺言の執行に必要な行為に当たるからです。

相続登記を申請する場合には、戸籍謄本等の原本と一緒に相続関係説明図を提出すれば、登記調査終了後にその原本の還付請求ができるようになっています。

相続財産は分割できるか

  • 分割できるもの   現金
  • 分割できないもの  相続債務
  • 分割対象とする合意があれば分割できるもの 金銭債権

相続の登記(不動産の名義変更)をするとは?

当事者の間では必ずしも登記をすることまでは要求していない

第177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

単独申請ができる

第63条  第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
 2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。

  • 共同申請が原則である
     第60条  権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
                     共同申請と単独申請のそれぞれのメリット・デメリットについて
  • 申請権者

 ○表示に関する登記をする場合
  第30条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。

 ○権利に関する登記をする場合
  第62条 登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。

 ○所有権の保存の登記をする場合
 第74条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
   一  表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
   二  所有権を有することが確定判決によって確認された者
   三  収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を 取得した者

  • 委任による申請
  • 遺言執行者(民法)
      第1015条  遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。
  • 委任による代理権の例外(平成5年追加)
     第17条  登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
       一  本人の死亡
       二  本人である法人の合併による消滅
       三  本人である受託者の信託の任務終了
       四  法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更

 ※登記権利者の表示  登記実務では死者を登記権利者として表示するのに、死者の住所証明書(除票住民票の写し)を添付する。

登記の手続き

登記の方法

第18条 登記の申請は、次に掲げる方法のいずれかにより、不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。

  • オンライン申請
       ※登記権利者と登記義務者(承諾)双方が電子署名し登記所に送信する方法による
          
  • 書面による申請 (※申請人の負担軽減から郵送申請も受付される)
            法務省 新不動産登記法の施行に伴う登記嘱託書等の様式について 事例

申請情報

 不登令第3条  登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない法第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。

 不登令第6条  次の各号に掲げる規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、不動産を識別するために必要な事項として法第二十七条第四号の法務省令で定めるもの
  (次項において「不動産識別事項」という。)を申請情報の内容としたときは、当該各号に定める事項を申請情報の内容とすることを要しない。
   一  第三条第七号 同号に掲げる事項(土地の表示、権利に関する事項)
   二  第三条第八号 同号に掲げる事項(建物の表示、権利に関する事項)

登記識別情報

第22条 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。

  ※第2条 十四  
   登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。

登記原因証明情報(必須事項)

  • 相続証明書(戸籍謄本、除籍謄本等)
        相続関係説明図
  • 住所証明書(住民票の写し等、又はオンライン申請の場合は住民票コード)
  • 遺産分割協議書(印鑑証明書)
  • 遺言書について
    • 原因証書には登記すべき事項が記載されていなければならない。
    • 遺言書は原因証書にならない。登記原因となる死亡事実(死亡年月日)が記載ない。
    • 戸籍謄本には死亡事実が記載されているが、相続すべき不動産のことが書かれておらず原因証書にはならない。
       
  • 住民票の写しには「本籍」の記載されたものと「本籍」の記載のないものがある。

第61条  権利に関する登記を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。

 ※不登令第7条③
  次に掲げる場合には、第一項第五号ロの規定にかかわらず、登記原因を証する情報を提供することを要しない。
   一  所有権の保存の登記を申請する場合

 ※売買契約書、領収書、証明書(担保権の抹消の弁済証明、解除証明など)、抵当権設定契約書、解除証書の書面(当事者の署名又は記名押印、印鑑証明書)又は電磁的記録(電子署名及び電子証明書)
   05.03.07 法務省 不動産登記の・添付書面を電磁的記録で作成している場合について

添付情報

不登令第7条①四
 法第30条の規定により表示に関する登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)

不登令第2条
 一  添付情報 登記の申請をする場合において、法第二十二条本文若しくは第六十一条の規定、次章の規定又はその他の法令の規定によりその申請情報と併せて登記所に提供 しなければならないものとされている情報をいう。

登記完了したら

申請人に対する登記識別情報の通知

第21条  登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。

登記事項証明書の発行

  • 書面申請は登記印紙による
  • オンライン申請は現金による

 ※第2条 九  
   登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをい う。
 ※第119条④
   第一項及び第二項の手数料の納付は、登記印紙をもってしなければならない。ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるとこ ろにより、現金をもってすることができる。
            法務省 登記事項証明書及び印鑑証明書のA4化について(お知らせ)

不動産登記に関する法令

  • 法律(不動産登記法)で、申請権者、登記事項(直接規定)など
  • 政令(不動産登記令)で、申請書の記載事項、添付情報(書面)など
  • 省令(不動産登記規則)で、登記簿の編成方法の細目など

添付書類の還付について

 原本還付請求とは原本の写しを登記所に提出してから、原本そのものは返還してもらう取扱いです。

原本還付の手続 法務省の説明より

 「相続関係説明図」が提出された場合には,申請書に添付した登記原因証明情報(戸籍謄本,除籍謄本等)と住所証明書(住民票の写し等)を登記調査終了後に希望があればお返しします(これを原本還付の手続といいます。)」         
     05.02.24 法務省 不動産を法定相続分のとおりに相続した場合の申請書の書式

相続を証する書類の原本還付方法

 昭和39年11月21日民事甲第3749号・民事局長通達

 相続による権利移転の登記及び相続人よりするその他の登記の申請書に添付された不動産登記法第四十一条もしくは第四十二条窺定による書面(戸(除)籍の謄(抄)本、特別受益者の証明書、遺産分割の協議書(遺産分割の審判書(又は調停調書)を含む。)等)の原本還付を請求する場合において、その謄本に代え、別紙の振り合いで作成された「相続関係説明図」を提出した場合には、便宜原本還付の取扱をしてさしつかえないものと考えるので、この旨貴管下登記官に周知方しかるべく取り計らわれたい。

相続人の住所証明書の原本還付方法

 昭和40年8月3日民事甲第1956号・民事局長通達 (照会) 

 相続による所有権移転の登記に添付された、不動産登記法第四十一条の規定による書面等の原本還付の取り扱いについては、昭和39年11月21日付民事甲第3749号の貴職の通達によって取り扱っていますが添付の「相続関係説明図」に、登記権利者の住所を明らかに記載することによって、不動産登記法施行細則第41条の書面も、便宜原本還付の取り扱いをしてもさしつかえないように考えられますがこの取り扱いが認められないものか、お伺いいたします。なお、右の取り扱いが認められるならば、同細則第44条ノ11第2項の記載は「相続及び住所を証する書面は還付した。印」と、記載すべきであると考えますがあわせてご指示をお願いいたします。

(回答) 不動産登記法施行細則第41条の規定により添付すべき書面における住所が、「相続関係説明図」に明確に記載されている場合には、前段、後段とも便宜貴見のとおり取り扱ってさしつかえない。

※不動産登記規則
第55条 書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。ただし、令第十六条第二項 、第十八条第二項又は第十九条第二項の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書
 面については、この限りでない。
2 前項本文の規定により原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
3 登記官は、第一項本文の規定による請求があった場合には、調査完了後、これを還付するものとする。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書面の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載し、これに登
 記官印を押印するものとする。

登録費用

確認資料

  • 不動産の登記事項証明書
  • 固定資産の評価証明書

相続させる遺言と登記

登録免許税法 附則抄  

(不動産登記に係る不動産価額の特例)
第7条 新法別表第一の第一号に掲げる不動産の登記の場合における新法第十条第一項の課税標準たる不動産の価額は、当分の間、当該登記の申請の日 の属する年の前年十二月三十一日現在又は当該申請の日の属する年の一月一日現在において地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百四十 一条第九号(固定資産税に関する用語の意義)に掲げる固定資産課税台帳に登録された当該不動産の価格を基礎として政令で定める価額によることができ る。
                                    国税庁 登録免許税の税額表

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